CATEGORY:地域活動記者のわくわく取材録

2012年05月22日

中学生リーダー研修の報告

講師紹介文


5月19日(土)浜松市立青少年の家主催「中学生リーダー研修」全11回の
初回講義を行ったので、ここに記録と感想を報告する。

研修全体の主旨は、「中学生自らがスタッフとなり、社会参加活動等を行い、
人とのコミュニケーションを通し社会貢献について学ぶ。」とのことで、
リーダーとして地域で活躍できるようにするということだそうだ。

初回の講義テーマは、「ボランティアの意味、心構え、得られるものは」。
この種類のテーマで話すのは6年ぶりなので、ゼロから組み立て直した。

ゲストスピーカーは、静岡文化芸術大学の渡部清花さん。

開講式、参加者自己紹介を傍聴したところ、参加者の緊張が目立つ。
清花さんとそれを確認し、講義前に10分間のアイスブレークを実施することに決定。

1 アイスブレーク
最初は、アイスブレークとは言わずに、
「リーダーとしてのトレーニングです」と言って、会場後ろに輪になって集合。
「右を向いください。前の人が緊張しているようなので、肩をもんであげましょう。」
「今度は肩をたたきましょう。」(手を握るのは抵抗があったも、肩は抵抗が少ない)
「8回たたいたら後ろを向いて8回たたきましょう。…」
「8回、8回、4回、4回、2回、2回、1回、1回で向きを変え、最後に中央を向いて
手を1回たたきましょう。…」
「次に、もしもしカメよの歌で…、最後の拍手がそろうまでやりますよー。…」
ここまで6分。笑いがあふれ、すっかり空気が変わったところで、解説。
「初対面で緊張を解くのに使った技術で、3つのスパイス「リズム、笑い、スキンシップ(高校生以上は少しエッチなやつも可)」の3要素を使って短時間で行うアイスブレークの1つでした。」
リズムが流れをつくり参加者をのせると同時に講師ものりやすく、スキンシップは抵抗の少ない部分から入っていき、失敗が笑いを引き起こす。

2 ボランティアの意味、心構え等の概略説明
初めに「あなたは社会は自分の力で変えられると思いますか?」を聞く。
参加者14人中、12人がNO。2人はわからない(できるかも)。
YECが静岡、スウェーデン、イギリスで行ったアンケート結果を紹介した。

ボランティアの意味を、性質と形式の2面から、具体例を挙げて説明した。
性質面では、自発性、自律性、非営利性、社会性・・・を挙げ、
特に「社会性」を強調して解説し、社会の一員として活躍するチャンスとまとめた。
形式面では、ボランティア、ボランティア団体、NPO、NPO法人を挙げ、
花を植える活動から環境NPO法人になる過程を事例解説した。
団体と組織の違いは、メンバーが変わっても継続するかとの視点から、
嵐とモーニング娘を例に、活動の継続性や動きやすさを解説した。
また、ボランティアへの認識を広げてもらえるよう、福祉系ボランティアだけでなく、
環境系、教育系などの事例も紹介した。

ボランティアの心構えとしては、「してあげる」でなく、「思いやり」を重視。
自分の震災ボランティアでの経験から、現場では「がれき」と言わず「家財」と言う。
相手の気持ちに寄り添って、想像することが大事である。

3 渡部清花さんの体験談と「得られたもの」
ボランティアへの認識を深めてもらえるよう、彼女のインドの学校のお手伝い、
東北での震災ボランティア等での経験を話してもらった。
A4プリントした写真を中学生の席まで動きながら話し、私がキーワードを板書。
インドの小学校での給食用のお米の選別の様子では、「かわいそう」でなく、
「広い視野」。活き活きとした表情にも注目してほしいという意味から。
震災ボランティアでの濡れた畳は、大人4人でないと持ちあがらない。
これは現場でないとわからないこと。報道されなかったことも伝えたい。
また、「自分がやってみたいこと」が、「誰かの喜び」になっていたとのこと。
しかもその「誰かの喜び」が自分に返ってきて「自分の喜び」へというループ。
これがうれしくて、次の行動につながった。
コミュニケーションが大事っていうけど、その第一歩は「とびきりの笑顔」。
浜松から東北までの20時間14台のヒッチハイク、世界青年の船の応募採用と
活動もこの笑顔が活きた。

4 補足(身近なボランティアにつなげるもの)
これまでの話で、遠い世界と感じてもらうより、身近なところに落とせるよう話題提供した。
最初にやりやすいのは、「マップづくり」。
2100年の子供たちに残したいものマップなど
これなら、すぐできて世界初、みんなで作る、形に残るから。
また、今日の講義のように、経験を話して伝えることも大事なボランティア。

5 最後に
もう一度、「あなたは社会は自分の力で変えられると思いますか?」を聞く。
参加者14人中、12人がYES。2人はわからない。
手が曲っているのは自信のなさ。残りの10回でまっすぐになるといいな。

終了後、
「ボランティアをやりたくなったんですが、どこに相談に行けばいいですか?」
「清花さん、連絡先を教えてください。」
など、受講した中学生がどんどん集まってきた。
君たちなら、きっと社会を、世界を変えられるよ。

以下は裏話

5月19日(土)開催であったが、この依頼を受けたのは15日(火)午後。
10数年前にお世話になった元上司からの電話依頼に、色々な想いが交錯した。
急な依頼。でも誰かがやらないと困るだろうな。私の職場をわざわざ・・・。
このテーマなら何とかなるかな。中学生ってどんな感じだろう・・・。
うん、これは何とかしなければと、手帳を見ながら、1つ予定をキャンセルし、
「やります!」と回答。

勤務時間終了後、学生にゲストスピーカーに頼むなど簡単な企画書を作成し、
元上司に了承いただいた後、学生を探し始めた。なかなか見つからず、
困っていたところに、文化芸術大学3年の渡部清花さんを思い出し、
メールしたところ、すぐに快諾の返事。後で聞くと、彼女も予定を1つ
キャンセルしたとのこと。彼女の即断力に感謝。

困った時に、あいつなら何とかしてくれるかもと思い出してもらえる
のはうれしい。そういう自分であり続けたい。一方、この上司のように、
10数年ぶりであっても思い切って電話してみようと思う。
何だか、この企画を通じてたくさんのものをいただいた気がする。


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Posted by ろくさん  at 06:44 │Comments(0)地域活動記者のわくわく取材録

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