CATEGORY:地域活動記者のわくわく取材録

2010年12月23日

子ども・若者ビジョンから思い出した自分の昨日

冊子表紙


YEC(若者エンパワメント委員会)主催の
子ども・若者ビジョンから考える静岡の明日
に参加した。

講師 広田照幸さん(日本大学文理学部教授/内閣府、
子ども若者育成支援に関するワーキングチーム委員等)の話を
聞いて、自分の大学2年生時代(1987年)を思い出した。
(YECのメンバーの大半は、まだ生まれてないんだな・・・)

当時入っていたサークル「野外活動クラブ」の顧問の紹介で、文部省の
モデル事業「10泊11日小学生から高校生70人の無人島生活体験」に
スタッフ参加し、青少年教育施策について考え出したところである。

その後、県庁に就職したが、1990年にもスタッフ参加し、
「学校5日制を生かした教育改革」の懸賞論文にも応募した。
県庁にいても変えられないもどかしさから、何とかして自分の考えを世間に出したいと思ったんだろう。

今なら、もっと様々な手段があり、多くの人の考えも近くにある。
今後自分なりの「子ども・若者ビジョンから考える静岡の明日」
考えてみたいと思う。

なお、応募した懸賞論文の一部は以下のとおり。

 ここで、知識詰め込み型の教育と知恵の教育の違いについて例を挙げて比較してみることにする。

 私は、社団法人青少年交友協会及び野外文化研究所が主催した「無人島生活体験」にスタッフとして参加したことがある。「無人島生活体験」とは、無人島という文明から隔離された厳しい自然環境の中で、異年齢の共同生活をすることにより、基本的な生活能力や開拓能力、耐乏生活や自然環境への順応性などを培い、たくましい子を育てることを目的としたもので、小学校5年生から高校生までを対象に、毎年夏休みを利用して、愛媛県宇和島市御五神島にて10泊11日かけて実施されている。

 無人島においては、日頃学校で得た知識がそのままでは役に立たない。例えば、調味料として塩を手にいれたいとする。海水に塩が含まれていることは知っているから、海水を茶碗一杯くんできて日なたに置いておく。これだけで塩がとれると思っている。たしかに塩は取れる。しかしその量はごくわずかであり、小さなごみと分けられず、調味料としては使えない。ではどうすれば大量に純粋な塩が取り出せるかというのが、知恵の教育の第一歩である。海水を布で漉して不純物を取り除くとか、鍋に海水を入れて煮るという答えを丸暗記させることが知識詰め込み型の教育であるのに対し、答えへと導く過程こそが知恵の教育そのものである。自分という出発点から、調味料として塩を手にいれたいという最終目標に対して直線を引き、不純物を取り除くとか、大量に取り出すという中間目標地点を考え、その中間目標地点までの過程として、どうしたら不純物を取り除くとか、大量に取り出すことができるのか考える、というように目標から自分という出発点へコースを導くということが、知恵の教育方針の大切な点である。

 また、この「無人島生活体験」において子供の感受性の強さが昔と変わりなく強いことを認識した。一人でファミコンで遊んでばかりしていて、心が冷めきっていると思われがちな現代っ子が、本当は、好奇心旺盛で感動に飢えているのである。すなわち、子供達が変化した社会環境によって冷めたふりをしているだけだったということである。それは例えば子供が発する言葉によってわかった。古井戸をのぞきこんでいる子供が、「水に顔が映ってる。」、手作りの竹皮草履を不器用に履く子供が、「靴って歩きやすくできているんだね。」、軽石を探し求める子供が、「軽石って海に浮かぶんだよ。」、鶏を殺した子供が、「今日はとっても悲しいことをしてしまった。」、海ではしゃぐ子供が、「私もう、ずっとこの生活でもいいなあ。」と叫ぶ。大人が当たり前のように感じていることが子供にとっては驚きや感動であることは、昔と変わってないのである。やはり自然に恵まれた環境こそが豊かな感性を培うと思われる。

 このようなことから、理想の教育システムとして、一つめに、自然環境の中で生活体験等を通じて知恵の教育を普及させていき、小学校入学から企業就職までの教育システム全てについて、知識を評価するシステムから知恵を評価するシステムに転換していくことを提案する。

子ども・若者ビジョンから思い出した自分の昨日




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Posted by ろくさん  at 23:21 │Comments(0)地域活動記者のわくわく取材録

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