CATEGORY:本業延長記者のバリバリ取材録

2009年02月12日

アンケート調査のツボ3

アンケート調査のツボ3

最終回の今回は、選択肢がテーマである。

選択肢にまで気を遣うなんてと思うかもしれないが、自由回答での集計が困難であることを考えれば選択肢も慎重に作成すべきである。以下にチェックポイントの続きを紹介しよう。

9(選択方法)回答可能な選択数を適切に求めているか?
これは、「複数選択可」、「必ず3つ選ぶ」、「あてはまるもの全て」は異なると考えれば気づくだろう。安易に「複数選択可」なんて書かれている設問を目にするが、選択してもしなくてもいいでは統計的意味をもちにくい。「あてはまるもの全て」を使うべきである場合が多いと考える。

10(選択肢の軸の統一)一つの質問に複数の答えの軸が含まれていないか?
例えば、受けた講座の満足度調査で、以下の選択肢から1つ選ぶ場合
 1仕事上役に立つ
 2ハイレベルなものにしてほしい
 3実務的な内容にしてほしい
 4あまり役に立たなかった
とあれば、1と4は役に立つかという評価軸、2と3は要望軸である。これらは混在させず、分けた方が適当である。

11(選択肢の独立性)選択肢が相互排他的(同時に起こり得ない形)になっているか?
例えば、エコバッグの配布調査で、以下の選択肢から1つ選ぶ場合
 1配布を完了した
 2一部残っている
 3これから配布
1と2は相互排他的であるが、2と3は同時に起こりうる。3を「全く配布していない」とするのが適当である。

12(格付け法)格付け方は中心に重心があるか?左右対称になっているか?
 ×1とてもよい、2よい、3悪い
 ×1全くそう思う、2どちらかと言えばそう思う、3あまりそう思わない 4全くそう思わない
前者は、4とても悪いを追加するのが適当である。後者は、3を「どちらかと言えばそう思わない」とするのが適当である。こうしないと前者は「よい」方に誘導してしまうし、後者のイメージ調査は、因子分析(多変量解析)を行う場合に微妙に狂ってきてしまう。
なお、頻度等数量化できる場合には、できるだけ数字を使い、格付け法を使わないことも大切である。
例えば、「よく行く、たまにいく…」よりも、「週1回以上行く、月1回以上行く…」を使った方が的確である。

以上が、アンケート調査票の自分流チェックポイントである。
もちろん調査票だけでなく、調査の目的を明確にし、分析結果をどのように活用するかが最も大切であり、回答してくれた者への報告は最低限のマナーである。

これは、7年前、仕事でアンケート調査を行う際に、図書館で借りた「成功するアンケート調査入門(日本経済新聞社)」他からのエッセンスを自分なりに吸収して、編集・活用したものである。自分の未来への記録として、また、これからアンケート調査を行おうとする方の少しでもヒントになればうれしい。


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Posted by ろくさん  at 05:56 │Comments(0)本業延長記者のバリバリ取材録

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