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2014年04月20日

大学職員振り返り(業務改善編)

大学職員振り返り(業務改善編)

県庁から人事交流で大学職員として勤務した5年間を、「業務改善」の観点から振り返る。書き込んだ手帳5冊とこのブログの過去ログとあいまいな記憶から、自分への備忘録として。

5年前の転任直前に前任者から引き継ぎを受けたノートにこんなメモがあった。
「GWと正月はない」
それだけ忙しい職場だから覚悟しておいてねという意味だったと思うが、すっかり忘れていた。残業は少なくなかったが、そんなことはなかったからだ。引き継ぎ時に前任者の電話に短縮登録がガラガラだし、机周りが効率的でないように思えて、少しほっとしたことも思い出した。

そんな気付きから始まった業務改善について、「効果・効率の向上」、「裏方として組織を動かすこと」、「組織のチーム化」の3点から整理した。(深く書けない部分は省略しています)

■効果・効率の向上
すぐに新入生アンケートの集計・分析の効率化ができたので、空いた時間を使って書類とパソコンデータを整理(フォルダ再編、同ファイルの削除等)したことで、過去の経緯がゆっくり頭に入ってきた。何しろ、異動した年は新人同等なので、前年をなぞるだけでも時間がかかる。経験の少ない新人が、周囲を説得する材料は、データと法律である。これらを武器に改善した主な成果は以下のとおり。

・複数事業の施策は、鳥瞰図を作成して、費用(時間)対効果をチェック。
・月間予定表を作成し、実際の作業結果を記録。
・データ活用の一元化とあらかじめ必要なデータのDB化。(改善前:A→B→C→D。・改善後:A→B、A→C、A→D)
・最新の法律に合わせて、契約書の見直し、改善。
・大量照会のメールフォルダによる振り分けと自動集計。
・会場設営状況の写真保存による視覚化。
・新入生アンケートと入試広報効果の連動化と多変量解析によるイメージ分析
・個人予定ボードと作業共有ボードの作成・活用で見える化

■裏方として組織を動かすこと
組織を動かすのはトップのように見えるが、裏方しだいで組織を動かせる。「置き石、水やり、待ち伏せ」がポイント。スタッフの増員、システムの改善(予算増)は、絶対無理と言われたが、あの手この手と様々な協力者のおかげで実現できた。

■組織のチーム化
5年前の転任時は戸惑いも多かったが、ブログにこう書いている
「小さな成果の積み重ねで信頼をつかんでいこう。チームの一員として馴染みつつも、自分らしさをちりばめていこう。まとまりながらも高位平準化を進めていこう。」
2年目に新しい室長が入った時には、こんなことを書いた
「初めて聞く話を詰め込むのは回転できないテトリスである。」
自分の経験を踏まえ、上に詰まる前に整理する手助けをしようということである。

以降、入試という大行事に向けて一丸になることで、一緒に悩み、改善やチャレンジには応援しあう雰囲気ができていった。壁にぶつかると、ついつい外部を批判しがちになるが、「批判したら提案しようよ、その提案のために自分たちにできることあるかな。」となっていった。また、「担当が不在だからわかりません。」は最小限になった。常に他の人の仕事に関心をもち、気になることがあれば、「これどうやった?」とか「明日休むけど、もしこんな質問があればよろしくね。」と。振り返れば、1年目は新型インフルエンザに伴う追試験実施、2年目は後期日程入試の前日の東日本大震災対応、5年目のセンター試験はJRの遅れで全国最大規模の再試験と不可避なトラブルがあったが、室員のチーム化で乗り切ることができた。

部下が目的志向で動きだし、他室の上司から、部下がほめられることが増えた。部下の成長がこんなにうれしいと思ったのは初めてである。
アルバイト職員までもが「役に立つと思って少しやってみましたが、ちゃんとやってもいいですか」なんてことが増えてきた。アルバイト職員にとっては、たぶん、学内のどの職場よりもきついのに自己理由退職率は最も低いと思う。

大変な仕事であったが、またやってもいいと思える仕事にできたと思っている。
(大学職員5年間振り返り、完)

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Posted by ろくさん  at 23:11 │Comments(0)本業延長記者のバリバリ取材録

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